生きがい情報士とは
誕生の背景
高齢人口の増加に伴い、医療・福祉・保健の諸制度が大きく変革される中、高齢者の様々なニーズに対する支援プログラムとそれを担う専門職の養成は緊急の課題です。
こうした中、高齢化に対応すべく「社会福祉士および介護福祉士法」(昭和62年)、「高齢者保健福祉推進十ヶ年戦略(ゴールドプラン)」(平成元年)、福祉関係八法改正(平成2年)、さらに公的介護保険の導入(平成12年)等、様々な施策が講じられています。
一方、圧倒的多数の健康な高齢者と、その予備軍ともいえる退職間近い中年者への支援プログラムとその支援者の養成は残された課題といえます。
財団法人健康・生きがい開発財団(当時)は、平成4年から養成・認定を行なっている「健康生きがいづくりアドバイザー」に続き、平成10年度から新たに「生きがい情報士」の養成を開始することにより、中高年年齢者への健康生きがいづくり支援の専門職養成にますます力を傾注しています。
平成18年3月までに、6920名の生きがい情報士が誕生しました(うち191名は財団の認定を受けた登録講師です)。平成18年4月現在、全国33校41学科の指定養成校(四年制大学、短期大学、専門学校、高等学校)で養成講座が開講されています。
資格の定義
「生きがい情報士」とは、中高年齢者の精神的・身体的な健康の維持・増進とセカンドライフの生きがい創造を支援することを目的とし、中高年齢者の社会参加、就労、健康、余暇、経済、医療、福祉等の領域に関する専門知識、相談援助のための専門技術および必要な支援情報を検索するためのコンピュータ技術等を活用し、個々の中高年齢者に必要な情報の提供、関連機関等への紹介およびライフプラン作成やその他必要な支援を行なう者で、一般財団法人健康・生きがい開発財団の認定・登録を受けた者を指す。
資格の内容
熟年期の生きがいづくりを支援する「生きがい情報士」
●生きがいづくりを支援するコーディネート機能
第一の特色は、相談者のニーズに応じて生きがいづくりを支援するコーディネート能力。生きがい情報の検索・提供だけにとどまることなく、具体的なプランを立案し相談者をフォローアップします。
●コンピュータを活用した広範囲にわたる情報のインデックス機能
第二の特色は、コンピュータを活用した幅広い生きがい情報の収集・管理。保健・医療・福祉の領域だけでなく、広義の福祉情報ともいえる余暇・就労・生涯学習・ファイナンシャルなど多彩な生きがい情報を提供します。
カリキュラム内容
科目群 | 科目内容 | 授業形態 | 時間数 |
---|---|---|---|
総論 | 我が国の高齢社会の現状と、熟年期の健康と生きがいについて総論的にとらえる。また生きがい情報士の役割りとその専門的な知識・技術のポイントを知る。 | 講義 | 12時間 |
核カリキュラム | 相談者を健康で生きがいに満ちた社会生活に導くための知識 | 講義 | 64時間 |
技術 | 相談者のニーズに合った援助活動を行なうための技術演習 | 演習 | 68時間 |
見学・実習 | 『相談者に具体的なアドバイスを行なえるように現場への理解を深めるための体験学習』 | 実習 | 32時間 |
合計 | 180時間 |
テキスト