生きがい情報士通信1

福祉情報化時代の旗手!

新資格「生きがい情報士」誕生

◆「生きがい情報士」誕生まで

「生きがい情報士」は、厚生省所管の財団法人健康・生きがい開発財団(永野健会長・金田一郎理事長)が認定する資格です。厚生省は、心身に不自由がある高齢者介護の専門資格として、昭和63年より、「社会福祉士・介護福祉士」の養成を始めました。この時、両資格誕生に尽力した厚生省の辻哲夫氏の強いバックアップの下、加齢に伴い健康に不安を抱え、定年後の生きがいを見つけられずにいる多数の中高年齢者を支援するべく、平成3年に設立されたのが、健康・生きがい開発財団です。財団は現在、2,287人の健康生きがいづくりアドバイザーを世に送り出しています

その後、厚生省老人福祉振興課のご指導をいただき、前出の辻氏(現大臣官房審議官)や京極高宣日本社会事業大学学長の強力なご支援の下で、新資格“生きがい情報士”の準備が進められました。そして平成11年3月、満を持して第1期生が誕生したのです。介護福祉士養成校等のモデル養成校からは福祉職教育上も高い成果が報告されています。

◆「生きがい情報士」の性格

平成7年に制定された高齢社会対策基本法の基本理念として「国民が生涯にわたって就業その他の多様な社会的活動に参加する機会が確保される公正で活力ある社会」が示され、中高年齢者の生きがいづくりと社会参加の重要性が強調されています。「社会福祉士・介護福祉士」が心身に不自由がある高齢者援助・介護の専門資格であるように、「生きがい情報士」は、中高年齢者の生きがいづくりと社会参加を支援する専門資格です。

また、啓発・相談活動が中心の「健康生きがいづくりアドバイザー」に対し、「生きがい情報士」はコンピュータを駆使した中高年齢者に役立つ情報の収集、分析整理、提供を核能力とするプロフェッショナルな技術職です。「生きがい情報士」は「アドバイザー」と比べ、より若い人に向けた資格といえます。

◆「生きがい情報士」の役割

たとえば高齢期により良い余暇を過ごすためには、現役のうちに多様な余暇情報のなかから、個人の好みに合った情報を入手することが必要でしょう。また、地域の生涯学習センターを知らない中高年齢者が多いという現状もあります。

企業や社会福祉機関・団体、医療・保健関連施設にあって、このような時に有用かつ具体的な情報の提供とプランの立案ができる「生きがい情報士」は今、福祉情報化時代の旗手としての役割を強く求められています。

第1期合格は、154人のみなさんです

第1回資格審査試験

第1回資格審査試験が、2月20日に埼玉福祉専門学校、東京医薬専門学校で実施され、191名の受験者が、知識問題60分、演習問題60分の試験に臨み、154名の方々がめでたく合格されました。

ここで培った知識・技術を生かし、さまざまなフィールドで活躍されることでしょう。

(卒業時認定となりますので、合格者154名のうち今年度認定は92名です。)

情報士訪問第1回「伝えなきゃソンです!」

「生きがい情報士」が職場で活躍する姿を取材してお届けします。第1回は、東京医薬専門学校の医療秘書科を卒業して、4月から病院職員として働いていらっしゃるお二人にご登場願いました。

◆もう、お仕事には慣れましたか

阿部:わたしは病棟クラークなので、一日中走り回っているんですけど、患者さんと接することが今楽しくて仕方ありません。

杉山:わたしは健診クラークで、この時期は目の回るほど忙しく、疲れ切っているはずなのに気持ちに張りがあります。

阿部:ちょっとした声かけや挨拶に対して、入院患者さんは心からの笑顔を返してくださるんです。健康な者同士ってこうはいかない。心の健康は別物なのかな。

杉山:そうそう、健診にみえる方も感謝の言葉をかけて下さることが多いし、病院って人の気持ちを率直にするような気がするなあ。

◆ステキな職場で働いていらっしゃるんですね

杉山:ええ、ですからこちらも優しくなれるしプロ意識が自然と身についてきます。

阿部:私が落ち込んでいたりするとすぐに「どうしたの?」って心配されちゃう。だから患者さんの前では、いつも精一杯の笑顔でいたいなって思います。

杉山:そうそう、おかげで仕事が終わる頃には、何を悩んでたかわすれちゃってたりして。(笑い)

◆情報士の勉強は仕事の上で役立っていますか?

阿部:「相手を受容する」話の聞き方など、相談援助技術は、特に役立っています。

杉山:相槌の打ち方や表情なんて馬鹿にしてたけど、習っておいてよかった。

阿部:問題行動のある患者さんも、私なんかが話を聞くだけで解決する場合が多い。それと、敬語を身につけておいたおかげで年配の人にも信頼してもらえますね。

◆高齢化社会におけるみなさんの役割は?

阿部:「ずっと元気でいてもらえる環境づくり」これに尽きると思います。

杉山:その年齢にふさわしい役割を見つけるためのお手伝いかな。

阿部:でも、今の中高年の方達を見てると私達なんかよりずっと元気!

杉山:特に女性は、パワフルですよね。

阿部:やりたい事がはっきり見えてる人ってステキ。そういう年の重ね方をしたいな。

◆生きがい情報士としての今後の抱負は?

阿部:「ステキなパジャマですね」の一言で、患者さんの顔色が良くなって、さらに「昨日より顔色いいですね」の一言でいきいきとしてくるの。こういうことが本当にあるんですよ。“思ったことを伝える”そんな簡単なことが人も自分も幸せにしてくれる。伝えなきゃソンですよね。

杉山:「生きがい情報士」の知識と情報に、それを伝える能力が加わって、人に生きがいを与えるという難しい事が可能になるのだと思います。

阿部:さらに横の繋がりができれば、鬼に金棒ですよね。職種に直結する仕事じゃないからこそ、色々な分野で働く情報士同士の連携で活気ある社会をつくっていけると思う。

杉山:そこがこの資格の面白いところよね。

阿部:先日も他の学科出身の情報士と「自分達が動かなきゃ」って話してたんです。私達一期生の動きが、後輩達の力にもなっていくと思うし。

杉山:健康生きがいづくりアドバイザーの方達とも交流の機会を持ちたいです。

――是非、財団に遊びに来てください。今日は、お忙しいところ本当にありがとうございました。

生きがい情報士養成について

いよいよ平成11年4月からは、財団指定養成校による本格的な「生きがい情報士」養成を開始します。第1期養成校は、次の35校47学科で医療・福祉・保健・情報等の専門家を養成する短期大学、専門学校です。

平成11年度養成指定校(認定順)

京阪奈社会福祉専門学校社会福祉科
京阪奈社会福祉専門学校介護福祉科
中部コンピュータテクノロジー専門学校 情報処理科
和歌山社会福祉専門学校 介護福祉科
八戸社会福祉専門学校 介護福祉科
豊田学園医療福祉専門学校 介護福祉学科
愛媛医療福祉専門学校 社会福祉学科
仙台福祉専門学校 福祉情報学科
国際電子ビジネス専門学校 医療福祉ビジネス科
専門学校中部ビジネス・デザインカレッジ 医療福祉科
瀬戸内短期大学 養護教育学科
豊島医療秘書福祉専門学校 社会福祉事務学科
瀬戸内総合学院 福祉学科
日本理工情報専門学校 スポーツ科学科
北海道ハイテクノロジー専門学校 保育福祉科
目白福祉専門学校 介護リハビリ手話ボランティア文化学科
目白福祉専門学校 福祉施設事業学科
目白健康専門学校 長寿社会健康学科
名古屋法経情報専門学校金山校 ヒューマンビジネス科
静岡福祉医療専門学校 医療情報秘書科
専門学校アサヒアカデミー キャリアビジネス科
国際リゾートスポーツ科学専門学校 スポーツ科学科
筑波研究学園専門学校 福祉情報学科
弘前ホスピタリティーアカデミー 介護福祉科
桐生ビジネス専門学校 情報福祉学科
東京スポーツ・レクリエーション専門学校 スポーツへルス科
東京医薬専門学校 病院管理科
東京医薬専門学校 健康栄養科学科
東京医薬専門学校 心理技術科
東京医薬専門学校 医療秘書科
東京医薬専門学校 薬業科
埼玉福祉専門学校 社会福祉科
神戸医療福祉専門学校中央校 介護福祉士科
東京福祉専門学校 社会福祉科
東京福祉専門学校 医療福祉科
東京福祉専門学校 健康福祉科
旭川荘厚生専門学院 福祉情報科
旭川荘厚生専門学院 福祉研究科
旭川荘厚生専門学院 介護福祉科
お茶の水医療秘書歯科助手専門学校 医療情報科
佐藤ビジネス医療福祉専門学校 社会福祉学科
神奈川情報通信専門学校 情報OA学科
日本福祉教育専門学校 健康福祉学科
日本福祉教育専門学校 社会教育学科
近畿大学九州短期大学 生活情報科
東京福祉専門学校 介護福祉科
聖泉短期大学 情報社会学科

※平成11年5月31日現在

(四年制大学をはじめ多数の照会があり、後期開講等、年度中の認定校増加も見込まれます。)


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